わたしと彼女の、なれそめ

想い出

同人作家の神絵師様を好きになってしまった!
SNSの相互さんを好きになってしまった!
行き場のない想いを抱いている方、ここで心を休めてゆきませんか?
わたしは、インターネットで出会った神絵師と交流をはじめ、恋人としておつきあいすることになり、17年間仲良く同棲しています。
そんなわたしと彼女が、おつきあいするまでのお話し。
苦しいあなたの想いを、解きほぐすヒントがありますように。

平凡字書きが、神絵師に出会う

わたしと都子さんの出会いは、インターネットでした。
当時、個人サイト時代です。
西暦2000年代。腐女子たちはどこで創作活動を行っていたかというと、pixivでもX(Twitter)でもクロスフォリオでもなく、個人サイト!
「html」や「css」という単語!懐かしい!と思うかたは同年代です、仲良くしてください!
企業などが作っている自社ホームページですね、あのようなものを腐女子個人で作っていたんです。
腐女子たるもの、隠れて活動するもの。一般バレしないよう、ネットの片隅に住処を作り、こそこそと創作を営んでおりました。
個人サイトは我が城! 管理人は一国一城の主! 「管理人」とは、サイトを運営している、即ち絵描きや字書きが名乗っていました。掲示板を設置し、ブログに日記を綴り、それでね、それでね……と。このあたりを語ると長くなるので割愛します。

わたしも都子さんも、某少年漫画の二次創作をしていて、それぞれ個人サイトを作っていました。
都子さんが一ヵ月くらい先輩ですが、誤差といえるくらい。つまり、サイトの同期でした。
個人サイトには「リンクページ」というものがあり、そこに同好の士のサイト、同じジャンルやCPの創作をしている腐女子サイトを載せ、互いにつながりあっていました。
それにしても、都子さんは神絵師、わたしは平凡な字書きです。リンクなど、わたしが一方的に貼るものだと思っていたら。
なんと、都子さんのサイトにも、わたしのサイトのリンクが貼られている!
うれしかったです。それはもううれしかった。
今で言うと、SNSで相互フォローになった、という感じでしょうか。
神絵師さまが、わたしのことを認知してくださった!? みたいな。それだけでも幸せに眠れる、うれしいできごとでした。

いざ、送信ボタンを押さん!

つながりあえてうれしい、つまりそれまでは、一方的な思いだった。
わたしは都子さんの絵のファンでした。
神絵師、という言いかたをしましたが、都子さんはこの言いかたを嫌います。「私は『お絵描きさん』だよ」って言います。可愛い。
脱線しました。
つまり、都子さんは絵描きです。イラスト(と漫画)で熱い思いを表現する二次創作者です。
暖色の使いかたにはっとする。くちびるに色気がある。風の描き方がやわらかく愛おしい。
都子さんの絵については、いくらでも好きなところ、でてきます。
当時はもっと新鮮で熱烈な「好き」をほとばしらせておりました。アイドルに憧れるみたいな。手の届かない殿上人に、憧れて、憧れて。
そこでむくむくと湧きあがってきたのが、感想を送りたい!という気持ち。でもこんな末端字書きからメールもらっても困るよね。交流嫌いなかただったらどうしよう。でも、相互リンクになったのだし。でもでも、このメールを送ったばかりに、相互リンクを解消されたらどうしよう。
一歩踏みこむのは、怖い。
でも、この思いを伝えたい。
とりあえず、思いがあふれちゃってるから、メールを書こう。
送らない、書いてみるだけ。
でも、せっかく書いたのだから、思い切って送ってみては?
でもこれで嫌われたら?
でも仲良くなりたい。
でも。
でも。
マウスを送信ボタンの上に。
送る?
ちょっと待って、深呼吸!
3、2、1で送ることに決めた!
3…
2…
1…

送信、した!

葛藤を経てメールは飛び立ち、都子さんのもとへ到着しました。
そしてその後も葛藤はつづく。
やっぱり送らなきゃよかった。
これでリンク外されたら悲しいな。
わたし、いやなこと書いてないかな。
絵描きでもないのに、感想文書いて失礼だったかな。
なんで送っちゃったんだろう。

…と、不安と後悔でいっぱい。
今で言うと、憧憬する神絵師さんにDMで感想文を送った、近いでしょうか。
これでフォロー外されたらどうしよう。
ブロックされたらどん底すぎる。
TLがもう見れないよ。
みたいなことを思うのは、わたしの性格に拠るところも大きいのかな。
コミュ障だとは思わないのですが、とてつもない小心者なのです。

そうして、ああ今日もリンクは外されてなかった、とほっとしていたら。
メールボックスが、発光していました。

なんと、都子さんからお返事メールがきたのです。
それはもう、メールボックスがきらきら発光しているように見えました。

素直にうれしい気持ちと、絶好を云いわたす文面だったらどうしようというビビリ心と。
神絵師様がこんな底辺の字書きに何用であらせられますか!?と自虐に浸ってみたり。
またしても激しく揺れ動く思いのなか、わたしはおそるおそる、都子さんからのメールを読みます。

よかった、感想文をよろこんでもらえた!
よかった。
よかった……。

そこから、わたしと都子さんの交流がそっと始まります。
新作がアップされるたび、わたしはいそいそと感想を送ります。
わたしは一応字書きでありますので、思う存分感想を申しあげるとなると、それはもう長いメールになり、読むのも一苦労だったと思われます。
都子さんはそれを厭わず、読んでくださり、また返信のさいには、わたしの小説の感想も送ってくださるという神対応でした。
メール交換、のめりこみましたね。
作品の感想文に、日常の話しが織り交ぜられてゆき、軽い悩み事の相談もかわすようになってゆきます。

こうして、わたしと都子さんは、少しずつ近づいてゆきました。
仲良くなって、とうとう恋人としてつきあう!ところまでゆくのですが。
このお話しは、また今度。なれそめ編はちょっと長くなるやもなので、このnoteにて、ゆっくり書きつづけてゆきたいと思います。

Lucaのプロフィール
るか

女性で、同じ女性の恋人とともに暮らして17年。
現在進行形の日記、過去をしのぶ想い出などを書いています。

ネット恋愛で行き詰まっている……
同棲生活がうまくいかない……
同性愛者のことを理解したい……
そんな方々に、ちょっと足をとめてもらえるブログを目指しています。

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