近所、というほど近くないのですが、徒歩で行けるところに、おいしいパン屋さんがあります。
わたしはそのパン屋さんの、はちみつラスクが大好物。
冷蔵庫に入れて、大事に食べていたのですが、容器をひっくりかえしてしまい…しょんぼりしていました。
「よし、明日ラスク買いにいこう。ついでに、クロックムッシュも買って、お昼ご飯にしよう」
一緒に行こうね、と優しく言ってくれるわたしの恋人、女神すぎる。
推し語りとは、時に呪文
パン屋さんでお目当てのパンを買い、ほくほくと帰る途中。
買い物があって、コンビニに寄ったのですが。
食玩コーナーをなんとなく覗いたら、「ん?」。
プリキュアのウェハースを手に取り、まじまじと眺めます。
「これ、キミプリ(今季のプリキュア)じゃないよね。つぼみちゃん…ハトプリだっけ。あっ、らぶちゃん! せつなちゃんもいる!」
大はしゃぎ。わたしはシリーズのなかで、フレッシュプリキュアがいちばん好きで、せつなちゃん推しなのです。
都子さんははしゃぐわたしを見て、
「買わないよ」
イッツ、クール、ビューティ!
でも、待てよ。
都子さんも手に食玩を持っている。…仮面ライダー?
「これ、○○じゃないと思うんだけど。××って、△△だっけ。これは□□だから……」
彼女の言葉がわからない! 呪文! たぶん仮面ライダーについて語っているのはわかる!
都子さんは、もと特撮オタクなのです。
うーん、わたしのプリキュア語りも、都子さんには呪文に聞こえていたんだろうなあ。
なおも呪文を唱えつづける都子さんに、わたしも一言。
「買わないよ」
無駄遣いをおたがい回避し、無事に帰途につくのでした。
メガネを守るか、わたしを守るか
コンビニから出たら、雨が降ってきました。
わたしが傘を持っていたのですが、晴雨兼用の小さいもの。
「ちゃんとるかが守られるように差して」
と言う都子さんに、
「都子さん、メガネが濡れたら弱るでしょ」
「……弱る」
「守ってみせる、都子さんのメガネ」
そう言って、都子さんの方に傘を差し掛けると、
「るかこそ、濡れたら弱るでしょ」
「……弱る」
わたしは濡れるのが大嫌い。雨に濡れるのも、汗で濡れるのも、シャワーでさえ嫌い。
「でも、都子さんのメガネを守りたい」
「私はるかを雨から守りたい」
いや、わたしが、いやいや、私が、と言い合い、傘を差しかけ合っていたら、笑えてきて。
今日も2人、仲良しデートを楽しみました。
